気がつけば、冬が終わり、春が過ぎ、夏の気配を感じるようになった。
数ヵ月ぶりに、友だちと
ZOPFへ行った。
何十、何百ものパンが一堂に揃う様子を眺めるのは久しぶり。
そして、「今日は何の料理にしようかな」と、あれこれ悩みながらカフェへの階段を登るのも久しぶりだ。
5秒考えた結果選んだのが、「ライ麦パンを楽しむセット」。
たっぷりのザワークラフト、ソーセージ、生ハム、じゃがいもと、シンプルながら存在感のあるデリがつく。
夏の食欲が落ちた時期など、このメニューは食べやすくていいだろうな。
…まあ、わたしにとって「食欲が落ちる」という概念は存在しないのだけど。
デザートには、「バナナのタルト」と「スパークリングティーソーダ」。
タルト生地はサクサクと歯ごたえが軽く、こってり過ぎないクリームも食後のスイーツにちょうど良い。
なにより、柑橘類の効いたこのソーダ!
爽やかな苦味と酸味が、のどから胃袋へ駆け抜けた。
この夏、イチオシのドリンクだな(と、わたしが勝手に認定する)。
わたしが毎日のあれこれに追われ、ちっぽけなことに悩んだり、どうでもいいことにつまずいたり、友だちとのたわいないおしゃべりで笑ったりしている間も、このパン屋さんはこの場所で、変わらずパンを焼いていた。
人生に、いくつかの変わらない柱があるとすれば、そして、その柱こそが日々をがんばるエネルギーになるのだとしたら、このパン屋さんはわたしの柱にちがいない。
あしたからは、ZOPF週間ですよ。