いまや、すべてのこたえをださん。
会社を辞めるとか、旅に出るとか、本を書くとか、思えば、大切なことはいつでもこの店で決めた。
ひとりでカウンターに座ったり。
テーブルに向かって本を読んだり。
本当は結論などとっくに出ていて、それをポンと後押ししてくれるものが欲しかっただけなのだ。
あらゆるタイミングは、いつでもこの店で待っていた。
そして今日、久しぶりにこの店でコーヒーを飲んだ。
白い光が店内を埋め尽くし、ゆるゆるとした音楽が心地良く耳に響く。
迷うだけ、迷え。
迷いが果てたら、歩き出すのだ。
いまや、すべての問いにこたえを出さん。
しかしなお、決まらぬこころはどうすればいい。