わたしの、ゆめは。
小さな町で、コーヒー屋のおかみさんになりたいな。
朝6時くらいから店をあけて、やかんいっぱいにお湯をわかす。
それから新聞をもってきて、店内を掃除していると、常連のひとたちが新聞を読みにやってくる。
ひとりひとり、読む新聞が違うから、わたしは5種類くらい必ず取る。
スポーツ新聞しか読まない人もいるから、一応、ニッカンかスポニチも用意する。
朝のメニューはコーヒーと、簡単なトーストのセット。
昼もやっぱりトーストで、でもお昼ご飯代わりに食べられるよう、ピザトーストも作ろうかな。
夜もやっぱりトーストなんだけど、裏メニューでナポリタンやカレーを用意するのもいいかもしれない。
そのときの気分によって作り方が違っていて、今日はタイカレー、明日はインドカレーなんて、
インドカレーの日はインドから持ち帰ったスパイスをぜいたくに使うから、店内はコーヒー豆とスパイスのかおりが入り交じって、無国籍の空間になるのも楽しいな。
店はカウンターと小さなテーブル席だけ。
窓からは緑が見えて、その向こうに川ものぞく。
夏が終わるととたんに冷え込むから、早いうちから石油ストーブを出しておく。
誰もお客さんがいないときは、そこでさつまいもも焼いちゃおう。
毎日、変わらない生活をほんとうに心地よいと思える場所で続けること。
去年と今年の区別はほとんどないし、たぶん、今年と来年の区別もない。
当たり前のように同じくらしが続いていくということは、なんてぜいたくで、すてきで、しあわせなことなのだろうと思う。
もうすぐ、ひとつ、年を取る。
その前に、いま思う、ゆめのこと。