「ある」ではなくて、「あり続ける」。
今朝、電車に乗り込むとき、
売店で、自分の書いた本が売られているのを見つけた。
結構、苦しい思いをしながら原稿を書き上げて、
何度か、クライアントとの間でやり取りを繰り返したのは
つい先月のことだ。
その原稿がようやく手から離れたあとは、
「ハイ、つぎ!」と、新しい仕事に取り組んでいたのだけど、
やっぱり、それは終わったわけでも、消えたわけでもなかった。
わたしの手から離れてもなお、確実に存在していた。
一度、世のなかに出た自分の原稿を見直すことは、
わたしの場合、ほとんどない。
それらの行き先に興味がないのではないし、
本当は創るだけではなく、売るところまで考えないと
ビジネスとしては失格なのだろうけれど、
正直なところ、どうでもいいかな、という思いもある。
その本を必要とするひとが、それを手に取ってくれるなら。
そして、そこから新しい一歩が生まれるなら。
それで充分、価値があると思っている。
先日、友だちと久しぶりに
ZOPFへ行った。
みんなでテーブルについて、
「いつ以来だろうね」なんて話をしながら、パンを食べた。
わたし達がここへ来ても、来なくても、
この場所は、確実に存在し続けている。
「また、おいで」という店長のことばが
なんだかとても胸にしみて、
そのときのことを、今朝、駅で本を見つけたときに思い出した。