Don't look back, just keep on walking.
インドから帰ってくるたび、
いつも、どの写真をいちばんにアップしようかなあって考えるのだけど
今回は、迷わずこれだと思った。
帰国の日、オールドデリーを歩いているとき
うっかりシャッターを切ってしまった1枚。
しまったと、写真を削除しようと思ったけれど
よく見てみれば、今の気持ちにぴったりで、
足を止めて、じっとしばらく眺めていた。
辛く、しんどく、きびしく、楽しく、
複雑な感情がうずまいた旅だった。
19日に日本を発って以来、空港泊、車中泊と続き、
それからは毎日7時間あまり、ヨガをする日々。
山道を往復1時間歩いてスタジオへ出かけ、
時折、土砂降りの雨にも見舞われた。
朝焼け、流れる雲、霧雨、スーパームーン、
いろんな景色に目をこらし、
谷間の風、川のせせらぎ、夜中の雷、鳥のさえずり、
いろんな音に耳を澄ました。
日曜日、最後のヨガレッスンを終えたあと
急いで夜行バスに飛び乗って、月曜の朝、ニューデリー着。
40度の太陽が照りつけるなか、
いつもの店をいくつもまわって細々とした買い物を済ませ、
宿でざぶんと水シャワーを浴びてから空港へ。
乗り継ぎの飛行機が2便とも遅れたうえ、
バッグパックが途中で行方不明になり、昨晩は空港近くのホテル泊。
今朝、ようやく自宅に帰り、
午後からいつものように化粧をして、仕事へ出かけ、
一緒だったひとに飛行機のトラブルの話をしたら
「そんな状況で仕事に出てくるなんて、
すごくタフなメンタリティですね」と驚かれた。
わたし自身、今回は、
タフではない自分と真正面から向き合わされた旅だったので
そう言われて、思わず苦笑いした。
書きたいことはいっぱいある、
でも、いまはまだ消化の時間、
たぶん、もう少ししたらすべてがかたちになるだろう。
それは、誕生ではなくて再生、
わたしのなかにあるなにかが、新しいかたちを持って生まれてくる。
「選べなかった未来、選ばなかった未来はどこにもない。
ひとつひとつの選択が、運命なのです」
これまでも、何度か読んだことがあるけれど、
今回の旅にも持っていった本のなかに出てきたそのひと言が
いま、なにかのヒントになりそうな気がしている。