壁を作るのも、壊すのも。
これは、旅というより生活。
日本を出て、もうすぐ3ヶ月目に入ろうとしている。
もう二度と、こんなに長いスパンで
日本を離れることはないだろうと思っていた。
でも、そう思っていた当の本人が、
「行きたいなら行っちゃえばいいじゃん」と、
仕事やプライベートや、その他もろもろのことを
すべてきれいに片付けた(ときには脇へ押し退けた)。
そうしたら、そこにはなんの障害物もなくなって、
インドへ至る道がきれいに一本、引かれていた。
先日、約1ヵ月に及ぶヨガのコースが終わった。
いろいろな感情が芽生えては消え、また、芽生えた日々だった。
わたしは何を学んだか?
正直なところ、わたしはこれといって
ハッキリ明言することはできないけれど、
むしろ、それでいいんだと思っている。
たぶん、あとから気付くことも多いんだろう。
ひとつ、自分にとって新しい発見だったことは、
ヨガの浄化法のひとつ、クンジャルクリヤをやったこと。
これは、「生温い塩水を2リットルくらい飲んでから
口に手を突っ込んで吐く」というもので、
胃をきれいにする効果があるらしい。
水でさえ、大量に飲むことはできないのに、
まずい塩水をたらふく飲んで、しかも直後に吐き出すなんて、
やる前は、「絶対、そんなの無理!」と思っていたけれど
実際挑戦してみたら、これが意外なことに気持ちいい。
前の晩に食べたものはすでに胃を通過しており、
朝はなにも食べずに行っているので、
吐き出すといっても水しか出ない。
これが、体の内部からごぼっという音とともに沸き上がってくるときは
うまく表現できないけれど、なんとも爽快な気分になった。
この浄化法には、胃をきれいにするだけでなく、
ネガティブな感情も吐き出す、という効果がある。
終わってから、同じクラスの女性に
「目がキラキラしている」と言われたのは
単に、吐いて涙目だったからかもしれないけれど、
恐らく、体の奥に巣食っていた汚れた感情も、
少なからず、塩水と一緒に吐き出されたからだろう。
行けないと思っていたのは自分だけで、
できないと思っていたのも自分だけ。
いつでも、自分で壁を作っている。
そのことに、からだを通して実感できたことは、
このコースで、いちばんの収穫だと思っている。
コースも無事に終了し、これからは純粋に自分のためのヨガの時間。
もうしばらく、インドを堪能してから帰ります。