ほんとうに悲しいことは、
欲しいものが手に入らないことではなく
今まで手のなかにあったものが消えること、
だけど、それでも顔を上げねばならぬのですよ、
ときとして、涙しつつも。
昨日、あれだけヨガで爽快な疲れを感じたのに昨晩もやっぱり眠れず、
明け方、地震のせいで目はますます冴え、
結局、一睡もしないまま朝を迎えた。
もう、二度と眠ることはできないんじゃないかと
何十回目かの寝返りを打ちながら、一晩中そんなことばかり考えた。
わたしは寝る方法を忘れてしまった。
ひとって、どうやったら眠れるんだっけ。
原稿を書く手をとめたら、そのまま机に突っ伏しそうだったので
とにかく、ブラームスの交響曲第1番を全章聴くまでは書き続けた。
音楽が終わるのが先だったか、原稿が終わるのが先だったか
どちらか忘れたけれど、とりあえず書き終えて、
そしてやっぱり突っ伏した。
とにかく、うつむいて何かを吐き出すために。
今日はおいしいパンが届いたのだ、その話はまた明日書こうと思う。
明日の朝も取材が1件。
眠れないことなんて、ちっともたいしたことじゃない。
ほんとうに失ってしまう恐ろしさに比べれば、そんなのは全然。