アジアとアジアの飯をこよなく愛するライターの、「旅」と「パン」と「おいしいもの」があれば幸せな毎日の記録です。
by asian_hiro
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心づもり
純粋な、終わりの連続。
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ダラムサラに、「世界の果て」と「雲の終わり」という店があった。
「世界の果て」は、滝のすぐそばにあるチャイ屋で、
「雲の終わり」は、山の中腹にある宿泊所だった。
わたしは「雲の終わり」は見たことがないけれど、
「これが『世界の果て』なのだ」と言われたら
信じてしまいそうな光景を
いままで、一度だけ見たことがある。

正確にいうと、それはもう10年以上も前に見た
夢のなかでのできごとで、
その町では、懐かしいひとがアパートの一室に住んでいた。
夕方だったのか、部屋のなかはオレンジ色に染まっていて、
昭和を感じさせる六畳間には
ちゃぶ台と箪笥と、それから黒電話があった。

ああ、こんな町のこんなところで
こんなふうにこのひとは暮らしているんだ。
それなら、なにも心配することはない。
電話があるから話も通じる。
アパートの場所も覚えたから、いつだって訪ねて来られる。
夢のなかでそのひとと言葉を交わした記憶はないけれど
なんだか、無性にほっとしたことを覚えている。

わたしにとって、旅は
いつでも終わりを探すものだった。
旅は、無数の終わりであふれていて、
それが、哀しみを伴うものであろうとなかろうと、
わたしは、いつでも終わりを探している。
そして、いざ終わりにたどりつくと、
自分ではどうにも押さえきれない感情で動揺する。
旅を重ねて15年以上も経つ今でさえ、
「そのとき」を上手に越えることができなくて、
わたしはすべての想いに二度と開かない鍵をかけ、
淡々と、旅をするのだ。

今回の旅の半分以上、過ごしたリシケシには
「ラストチャンス」という、古くから営業を続けている店がある。
二度あると思えばそれはすでにチャンスではなく、
すべてのものごとに、終わりはたったひとつしか用意されていない。
ときどき、その終わり方が無性に見てみたくなり、
恐る恐る扉を開けてみることがある。
そんなふうに、人生は
「終わり」の心づもりを重ねていく連続なのだろう。

写真は、リシケシを出る最後の朝。
乾季にしてはめずらしく、
ガンジス川にかかる橋は、霧の向こうに霞んで見えた。
by asian_hiro | 2011-01-07 23:09 | インド旅行記
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