そして、続く。

まずは、昨日の話から。
所用があり、根津へ行く。
用件を済ませる前に、
まずは、神社へお参りしようと参道へ向かった。
このところ重なった、「いろいろとうまくいかない出来事」を
神様に預かってもらおうと思ったのだ。
雨は一段と強くなり、風も容赦なく吹き付ける。
そんななか、鳥居をくぐると目の前には小さな池があり、
オレンジ色をした大きな鯉が2匹、寄り添うように泳いでいた。
「鯉たちは、雨が降っていることを知っているのだろうか」
ふと、そんなことを考える。
水という、一枚張られたバリアのしたでは
雨も風も、なにも届かず、
ただ、同じような毎日が淡々と続いていくのかもしれない。
バリアのしたで守られるべきものは
鯉と、たぶん、それからなにか。
用事を済ませ、地下鉄を乗り継いで秋葉原へ。
とうとう、パソコンが動かなくなってしまったので、
急遽、新しいものを買うことにしたのだ。
いろいろ見て回った結果、Macのデスクトップに決めた。
いままで使っていたMacのノートを買ったのは、
アメリカへ行く前だから、ちょうど2年前の夏のことだ。
秋葉原の路地裏の小さな店で、初めてのMacを購入し、
そのまま荷物を持って、神田まで歩いたのだ。
途中、タリーズに寄ってアイスコーヒーを飲みながら
会社の元同僚にメールをしたことまで、
しっかりと覚えている。
なつかしい。
逃げ込みたくなるほど、なつかしい。
デスクトップのパソコンは、想像以上に重かった。
いや、そもそもこんな悪天候のなか
持って帰ろうとしたのが間違いだったのかもしれない。
駅から自宅まで、徒歩5分ほどの距離なのに
せいぜい50歩しか連続で歩けなかったので、
途中、何度も休憩をした。
傘を右手に、荷物を左手に持って50歩歩き、
一度、両手を入れ替えてから、
「1、2」と数えながら、再び50歩ぴったり歩く。
そんなことをしばらく繰り返し、ようやく家に辿り着くと
傘の骨が2本、折れていた。
セットアップもうまく済み、
iTunesに音楽を入れ終わったところで、
少し、仕事をしてから眠る。
あっという間に部屋の主みたいな顔をして
机の上に収まったMacは、
暗闇のなかでも、ぴかぴかと鈍い光を放っていた。
そして、今度は今日の話。
昨晩、寝たのが3時頃だったけれど、
今日も、いつも通り6時過ぎに目を覚ます。
さすがに、まだその時間では掃除機をかけられないので
コーヒーをいれ、りんごとパンで簡単な朝食にした。
台風一過の青空を見ながら、
そういえば、ココアを買ってこなくちゃと思い出す。
冬の間に飲む飲み物は、コーヒーを5とするとココアが3、
紅茶(チャイ含む)が1、緑茶が1。
寒いときに飲むココアは、格別だ。
家には豆乳しかないので、ココア用に牛乳も買わないとと、
「買い物メモ」を用意する。
あとは、キャベツとにんじんと、
かぼちゃと蓮根も買ってこよう。
朝7時の東京は、まだまだ一日はこれからだぜと言うように、
気持ちよく、風の音がうなっていた。
根津神社の鯉たちは、
今日も変わらず二匹連れ立って泳いでいることだろう。
秋葉原の電気街では、ミニスカートをはいた女の子たちが
道路の真ん中でビラ配りをしていて、
神田へ抜ける途中のタリーズでは、
ビジネスマンかOLが、日当りのいいソファに腰掛けて
コーヒーを飲んでいるかもしれない。
まだまだ、一日はこれからだ。
"Perfect"なんて、狙っちゃいない。
だけど、"Don't Look Back In Anger"、
いや、Don't Look Back In Wonder だな、わたしの場合、
とまどいながら、振り返るのはやめようぜ。
どちらも、今晩、聴いている音楽のタイトルから。
そばにはココアと、お香と、東京タワー。
まだ、マジック・マウスの使い方に慣れなくて、
一度、書いた記事を間違って削除してしまったけれど、
細かいことは気にしない。
明日も、どうやら晴れるみたいだ。