アジアとアジアの飯をこよなく愛するライターの、「旅」と「パン」と「おいしいもの」があれば幸せな毎日の記録です。
by asian_hiro
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リリース
「からっぽ」ではなく、「くう」なのだと。
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4日かけて、桜とともにようやく帰宅。
電話も、メールも、完全にシャットオフ。
そんな生活から、戻りました。

最後の晩に会ったスウェーデン人のヤンさんは、
この世界のことを、“empty sky”と言いました。
たぶん、仏教で言う「色即是空」と同じこと。
そのことが、いまはとてもこころに残っていて、
見上げれば、天の川、
そんな夜がつい先日のものだったのに、
いまではすっかり、夢のなかの出来事のような感じです。

いろいろなことがありました。
手に持ったたくさんの風船を、
ひとつずつ、空に放つような毎日でした。
たまたま書店で見かけた本のなかに、ダライラマの言葉があり、
一生懸命暗記して、店を出てから急いでノートに書き留めました。
“Give the ones you love wings to fly,
roots to come back and reasons to stay.”
なんて美しい言葉だろうと思います。

夜にはぐっすりと眠りました。
川から吹きつける強風が、窓を勢い良く開け放ったときには
さすがにビックリして飛び起きましたが
朝5時過ぎにはぼんやりと、
祈りのうたや、お寺の鐘をまどろみながら聞きました。
懐かしい友だちが夢に出てきて、
やさしい気持ちで目覚めたこともありました。
そこでの夜は、ただひたすらあたたかいものでした。

最後、大モスクの前の階段に座って通りをずっと眺めました。
それまで35度を超える気温だったのに、その日は10度も低くて、
夕方には、とても気持ちいい風が吹いていました。
数段下では、黒いチャドルをかぶったおばあさんが
コーランの一節を唱えながら、白い布を広げて物乞いをしていました。
17時、アザーンが鳴り響いたときだけは唱えるのを止めていましたが、
その後は再び、短い一節を繰り返します。
これまで、物乞いのひと達に
お金を渡すことはほとんどなかったわたしが、
そのときは、どうしてそうしようと思ったのかわかりません。
10ルピー札を財布から出しておばあさんの前でかがみ、
白い布のなかに入れました。
しばらくの間、風で飛ばないように押さえていると、
おばあさんは白い布でお札をそっとくるみ、
わたしに向かって両手をゆっくり合わせました。
わたしは静かに階段を下りました。

生きることは苦である、とブッダは言います。
"no judge, no think. Just accept”と
ヤンさんは言いました。
「自分を愛しなさい。マンゴの実を持っていないひとが、
他人にマンゴの実を与えることはできないのだから」
仲良くなった、石屋のおじさんは言いました。
どうして、わたしにたとえ話をするひとは
いつもマンゴを題材にするんだろうなと思いながら、
その話を聞きました。
最後の日、ガラス窓からおじさんに手を振ると
おじさんは強面の顔を崩しながら、にっこり微笑んでくれました。

どうしても参加したかったコースに出て
途中、思わぬ体調不良に悩まされたこともあったけれど、
これもまた悪いものが出ている証、
やっぱり、すべてがプロセスなんだなと思いながら
毎日、川沿いの道を歩いてヨガへ通いました。
ぶどうとみかん、カシューナッツ、
それから、毎日2杯までと決めたチャイが
わたしの、散歩の友だちでした。

今回ヨガで学んだことは、
いまはまだ、どうがんばっても言葉にできそうもなく、
これから少しずつ、体へしみこんでいくのだと思います。
その町に着いたばかりのころは、一生懸命、神経を尖らせても
体のあちこちにまで気持ちが行き届かず、
なんて、わたしの体内は真っ暗なんだろうと感じた体も
少しずつ明るさを取り戻し、
その町を去る頃には、思い通りに動かすとまではいかないまでも、
どうにか、親しみを感じるくらいまでにはなりました。
足のつま先や頭のてっぺんに至るまで、
すべての場所に「こころ」を届けること。
ただ、そのことだけに集中した毎日でした。
そしてそれは、これからも続きます。
こうして、すべてが続くのです。
だからこそ、emptyでいられるのだと思います。


今日、東京へ帰りました。
春の宵はこんなに明るかったんだなあと、改めて感動。
さて、まずはどこへ桜を見に出かけよう!
by asian_hiro | 2015-03-31 17:52 | | Comments(6)