アジアとアジアの飯をこよなく愛するライターの、「旅」と「パン」と「おいしいもの」があれば幸せな毎日の記録です。
by asian_hiro
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ひとこと
小休止を、小休止。
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「もう、ブログは止めてしまうのですか」
「もしかして、いま、インドですか」
「体調が悪いんですか」
「まさか、インドへ移住ですか」
などなど、いろいろメールをいただくのですが、
とりあえず、トウキョウで元気です。

でも、コンビニへ入ったら中島みゆきの歌が流れていて、
その瞬間、
ぎゅーっとこころから水分が搾り取られるような感じに耐えられず、
めずらしく、甘くて温かいミルクティーなど買ってしまった。
そりゃそうだ、
だって、たくさんのBig Hugがなつかしくて仕方ないのだもの!
by asian_hiro | 2014-10-30 23:18 | 日々のこと | Comments(8)
運命
やっぱり、繰り返すのかもしれない。
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朝、母のメールを受け取ってから、
ずっと、カルマとか、業とか、
そんなことばかり考えている。
「なにごとも、 繰り返さない。
絶対ではない。
確実ではない。
永遠ではない。
だから、 恐れることはない」
何度も、自分で書いているこの言葉、
最後の一文のはじまりを「だから」としたのは
いったい、なぜだったんだろう。

栗を煮る鍋をのぞき込みながら、
新しい年を迎えた。
そして、いまようやく出来上がり。
パソコンの前に戻り、
ふと、窓のそとを見上げると
半月と三日月の中間くらいの月が
暗い空に浮かんでいた。

10.18  4.36am 追記

なんだか眠れず、この時間。
こういうときに決めたことって、
大体、あとで「やっぱり、やめた!」ってなるケースが多いんだけど、
ちょっとそろそろ天井すれすれ、リミットに近いので
少し、どこかで充電か放電か、しないとね。
そんなわけで、しばらくおもいっきりお休みします。
よい秋を。そして、よい冬を。
どうしてこの落書き、
TOKYO IS OURSじゃないんだろうな。
by asian_hiro | 2014-10-18 01:47 | 日々のこと | Comments(20)
打克つ
熱といっしょに、消えたもの。
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わたしに、アシュタンガヨガのおもしろさを教えてくれた
インド人のおじいちゃん先生から、
さっき、久しぶりにメールが届いた。
その先生は、わたしをいつも「ヒロカ」と呼ぶ。
日本からインドへ飛び、
ひょっこりオンボロのスタジオへ顔を出すと、
「ヒロカ!」と、細い腕で力強くハグをしてくれる。
そして必ず、「ヒロカ! ピッツァ!」と、
ピザを食べに誘ってくれるのだ。
なぜか先生は、わたしはピザが大好きと思っているらしい。

その先生はとても厳しく、
年齢に似合わずハードなレッスンをする。
わたしは長い間、カムアップが出来なかった。
もともと体は柔らかいし、筋力もあるほうなので、
大抵のアーサナは苦労しないのだけれど、
以前、椎間板ヘルニアを患ったことがあるためか、
カムアップだけは、どうしても恐怖心が消えなかった。
先生のところでレッスンを受けるたび、
「ヒロカ、きみは日本でいったい何を練習してきたんだ」と怒られた。

たしか、3年前の春だ。
インドにいるとき、わたしは40度の熱を出した。
朝から関節の痛みと頭痛を感じ、これはまずいなと思いながら
それでも、午前中のアシュタンガにはなんとか参加したのだけど、
午後のパワーヨガのクラスまで、ちょっとひと休みしようと思いながら
気まぐれに水銀の入った体温計を買って計ってみたら
なんと、水銀はメモリのいちばん終わりの部分まで伸びていた。
これじゃ、パワーヨガのクラスは無理だと思い、
山道を30分歩いて宿へ帰り、そのまま死んだように眠った。
起きたら翌日の朝だった。

目覚めると、頭痛がきれいに消えていた。
なにも食べず、15時間くらいぶっ続けで寝たので
体が軽く、足が地面に着いていないような感じがした。
また山道を30分歩いてヨガスタジオへ行き、
アシュタンガのクラスに参加した。
いつもより、体は快適に動いたのに、
やっぱりカムアップは出来なかった。

「ヒロカ! ウオッチミー!」
先生は、わたしに大きな声で呼びかけた。
カムアップの見本をやるから、しっかり見ていろというのだ。
先生のアシスタントが、最前列に来いと手招きしている。
わたしは先生の真ん前まで進み、床に座った。
そして、先生の全身バネのような体が、
伸び上がるようにカムアップをするのを見た瞬間、
なにかが、ふっと頭のなかで跳ねた気がした。

自分のマットに戻って、カムアップをやってみた。
できた。はじめてできた。
顔を上げると、先生と目が合った。
先生はこっちを見て、
とても気難しい顔をしながら、「うむ」というように頷いた。

「ヒロカは、いつ、インドへ来るのだ」
久しぶりに届いた先生のメールには、こう書かれていた。
行きたいのはやまやまだけど、
わたしはもう少し、自分に与えられた席にいなければならない。
もしかしたら、もうインドに行くことはないかもしれない。
それでも、あの「うむ」と頷いたときの先生が懐かしくて、
「また、ピザを食べに行きたいです」と返事を書いた。
先生は「待っている」と返してくれた。
by asian_hiro | 2014-10-15 22:41 | 日々のこと | Comments(3)
メール
わたしにとっての、大事なもの。
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ヨガを終えて、いつものドトールでアイスコーヒーを飲んでいたら、
ひさしぶりの友だちから、うれしいメールが届いていて、
いや、参っちゃうな、
読んだ瞬間、泣けてきた。
だって、絶妙なタイミングで背中を押してくれたんだもの。
世の中は、いつでもいい具合に流れていて、
ちゃんと、必要なときに必要なことばが入ってくる。
もういいわ、迷わない。
あきらめるとは、あきらかに見ることだものね。
by asian_hiro | 2014-10-12 23:29 | 日々のこと | Comments(6)
断片
沈黙は、ゼロではない。
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「言葉のいちばんの幹は沈黙で、
言葉となって出たものは葉のようなもの。
いいも悪いもその人とは関係ない」
戦後最大の思想家、吉本隆明はそう言った。
言葉と沈黙は、相反するものではないけれど
沈黙をやぶって生まれた言葉は
沈黙の陰に隠れていた言葉の、ほんの一部に過ぎなくて、
その、沈黙の断片からすべてを理解したつもりになるのは
あまりに怖いし、もったいない。
「その人のほんとうの思いというものは
言葉にしてもしなくても、
変わらずその人の心の中にある。
沈黙の中にこそあるのだ」
ほんとうにそうだよなあ。
この上なくしあわせなときは
ただ黙って、こころがじんとするのを感じるし、
ものすごくおいしいものに出会ったときも、
ひとりでじっと、その喜びをかみしめるものね。

沈黙の陰には、星の数ほどの言葉があり、
言葉の陰には、抱え切れないほどの想いがある。
想いの陰には、忘れがたい記憶があり、
記憶の陰には、積み重ねた時間がある。

いまはもう少し、沈黙が必要みたいだ。
時が熟し、言葉の雑然としたざわめきが
きれいな音楽になるのを、静かに待とうか。
by asian_hiro | 2014-10-12 00:46 | 日々のこと | Comments(2)
overflow
“Being deeply loved by someone gives you strength,
while loving someone deeply gives you courage.”
― Lao Tzu
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思いっきり遠くまで、
えいやっと足を伸ばしてしまいたい。
たとえば、こんなパンが並ぶ店とか。
祈りのうたが流れる、ヒマラヤのふもととか。
by asian_hiro | 2014-10-11 20:59 | 日々のこと | Comments(3)
ブラックホール
人間、強いところがケガをする。
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体の一部が、他の部分に比べて強いと
立つにしろ、走るにしろ、
なにか動きをするとき
どうしてもそこを頼ってしまうので、
結局、傷めてしまうことがとても多い。
強いところが弱いところになるという、体の皮肉。
それはたぶん、こころでも同じこと。
いくら強いからといって、
なんでもかんでも吸い込んでしまう
ブラックホールではないんだものね。

*

ヨガのレッスンで、体の癖を修正しようとするとき、
18000回、自分で言い聞かせないと
その癖を直すことはできないと聞いた。
1日5回で約10年間。
もし、それがこころにも当てはまるなら、
10年前に考えていたことが、
いま、少しずつ修正されているのだろうか。

*

今年、何度目になるだろう、今晩も栗を煮た。
一粒ずつ、包丁で鬼皮を剥き、
3度、重層とともに火にかけてアクを抜き、2度火にかけて重層を抜く。
そして、茹で上がった栗を何度も流水にさらしながらきれいにして、
ようやく、蜜を煮含める。
なんにも余計なことが入り込む隙もないほど、
なにかに没頭して、夜をただ素通りする。
こんな夜を、今年はあと何回過ごすのだろう。
by asian_hiro | 2014-10-05 00:03 | 日々のこと | Comments(4)
夜景
夜の闇の誘いにのって。
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取材前に、歩道橋であたまの整理。
もう、いっそのこと
えいやっと、ちがう世界へ飛び出してしまいたくなる。
by asian_hiro | 2014-10-02 21:09 | 日々のこと | Comments(0)
文章
好きじゃなかったら、とっくにあきらめてる。
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あしたも早いから、もう寝ようと思いながら
1日、水に浸けておいた生栗を剥かなければと
深夜12時半から、栗の渋皮煮を作り始めた。
黙々と包丁で鬼皮を剥き、2度、重層を加えて茹でこぼす。
それからもう一度仕上げに茹でて、
水を足さず、きび砂糖だけで煮詰めていく。
いま、2度目の茹でこぼしが終わったところ。
たぶん、あと30分くらいで眠れるだろうか。

今年も、栗を煮る季節がやってきた。
去年はいったい何キロの栗を使ったのかわからないくらい、
何度も何度も、栗を煮た。
今年はこれで3回目。
もうすでに2キロの栗を煮たことになるけれど、
先日作った栗の渋皮煮は、栗が好きな母に半分あげた。
今回は、「日本でいちばんおいしい」(八百屋のおじさん談)という
利平栗。
ほっくりできるといいなと思う。

ひたすら、栗の鬼皮を剥く作業が大好きだ。
つぎに書く原稿のことや、あしたの取材のこと、
翌朝、食べようと思っているパンのこと、
ひとと交わした会話やメール、
たくさんのことが、ひつじ雲のように心に浮かぶ。
それらを追いかけたり、留めたりせず、
ただ、心のなかを流れていくのに任せながら、
わたしは淡々と、栗を剥く。
茹でこぼしたあとは、一粒ずつ流水できれいにすすぐ。

根気のいる作業は、昔から得意だった。
だから、文章を書くことを仕事にした。
ときには、画面をにらみつけるようにして
書いては消し、書いては消し、と繰り返しながら
机にしがみつくこともあるけれど、
粘って、粘って、
ようやく、「これ以外、絶対にありえない」という
落としどころで文章がおさまったときほど
この仕事のおもしろさを実感する瞬間はない。
だけどそろそろ、背中を向けていた事柄に、
本気で向き合わなくちゃいけないみたいだ。
もうすぐまたひとつ、年を重ねるけれど
その前に、やっぱりカタをつけなくちゃ。

たぶん、そのことは
栗を煮ながら、
バイクで走りながら、
緑道をジョギングしながら、
食パンの上でバターが溶けるのを待ちながら、
ドトールでコーヒーを飲みながら、
電車のなかで誰かの会話を聞きながら、
毎晩、眠る前に、
眠りから覚めたあとも、
たえず、考えることになる。
ときには吐きそうになるくらい、しんどい作業かもしれないけれど
でも、たぶんだいじょうぶ、
昔から、根性と粘り強さには自信がある。
だって、好きなんだもの。
中途半端にするなんて、できないんだもの。

もうすぐ、栗が煮上がる時間だ。
あとは、きび砂糖を栗に振りかけて煮詰めるだけ。
一晩放置したら、
とろりと滴る黄金色の蜜をまとい、
栗の渋皮煮がちょうどいい具合に仕上がっているだろう。
by asian_hiro | 2014-10-01 01:35 | 日々のこと | Comments(0)