アジアとアジアの飯をこよなく愛するライターの、「旅」と「パン」と「おいしいもの」があれば幸せな毎日の記録です。
by asian_hiro
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とりあえずの、おしまいに
Our paths will cross again.
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ひととの出会いは、別れへ向けてのカウントダウンではなく、
日々、思い出を積み重ねていくカウントアップなのだと思う。
さようならと言い合うことさえ、ひとつのカウントに数えられるなら
わたしの手のなかにあるものが、ゼロになることはない。

ブログの更新を1ヶ月、おやすみします。
by asian_hiro | 2008-06-22 04:12 | ニューヨーク生活・日々
アイピロー
ひとの意思は、生まれた瞬間に作られるのではなく
胎児のときからすでに存在するのだとしたら、
人生でいちばんの期待と不安を抱えていたのは、
もしかして、羊水を漂っていたときだったのかもしれない。
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たまにアイピローを乗せて眠ることがある。
ラベンダーの香りがついたそれは、
じゃりじゃりとした肌触りが気持ちよく、まぶたに乗せると
誰かに手をあてがわれているような感じがして心地いい。
目の上に感じるこの程度の重さは、
胎児のとき、羊水から受けていた圧力と同じなのだそうだ。
もちろん、人間がそのときのことを覚えているはずもないが、
それでも、アイピローを乗せるだけで
なにか大きなものに包まれる気がして安心するのは
たぶん、身体にしみ込んだ記憶のおかげなのだろうし、
羊水のなかを漂いながら、ひとは生まれながらにして
最大の期待や不安を抱えていたのだと思えば、
いまのこの心境など、とても小さな存在に見えてくる。
by asian_hiro | 2008-06-22 02:09 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(20)
サンダル
どんな不安や、かなしみも。
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新しいサンダルを履いたら、案の定、靴擦れができた。
いっそ裸足で歩きたいと思いながら痛みをこらえて
なんとか駅にたどり着き、薬局でバンドエイドを1箱買う。
道路脇にしゃがみこみ、擦れた部分を覆うように貼ると、
うそのようにヒリヒリとした感覚が消えた。
歩いても痛まない。
足取りまで軽くなり、歩幅が少し大きくなる。
たった1枚のバンドエイドで、世界はこれほどまでに変わるのだ。
きっと、世の中にはこんな「たったひとつ」があちこちに落ちていて、
わたしたちは、毎日、それを拾い集めながら
前へ、歩いているのだと思う。
by asian_hiro | 2008-06-21 21:57 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(4)
バングラさん
ニューヨークの街角で見る、南国の青空。
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いつも歩く道に、果物の屋台がある。
ひとめでインド系とわかるおじさんとおばさんが店番をしていて、
りんごやぶどうや洋梨や、なぜかトマトやにんじんまで売っている
小さな移動式の屋台だ。
初めてその店の前を通ったとき、
おばさんがパンジャビドレスみたいな民族衣装を着ていたので、
それはどこで買ったのと英語で尋ねたら、
彼女は辿々しい言葉で、自分で作ったと返事をした。
そうか、英語が苦手なのね、
では、今こそヒンディ語を話すチャンスと、張り切って話しかけると、
首を横に振って、自分たちはバングラデシュから来た、と言った。
それ以来、わたしは彼らを「バングラさん」と呼ぶようになった。

バングラさん夫婦は、朝は旦那さんが屋台に立ち、
夕方、店じまいをする前に奥さんがやって来る。
そして、ふたりで売れ残った果物を片付け終わったころ、
彼らの息子だろうか、若い男性がやってきて、
空になった屋台を押し、坂道を上っていく。
確かめたことはないが、きっと、道の上には車が止まっていて、
屋台をつないで家へ帰っていくのだと思う。

バングラご主人は、雪や台風の日を除いて
いつも、道の角に立っている。
わたしはそこで、桃やりんごや洋梨を買う。
もともとあまり愛想のいい方じゃない彼は、
朝の早い時間帯は普段以上に不機嫌だ。
挨拶しても、お金を渡しても、
うんともすんとも言わないことがある。
最初の頃は、あれ、なにか悪いことしたかな、と
こっちが不安になるくらいだったけれど、
このごろはもう慣れてしまったので
まあ、いつものことだとあっさり流すようになった。

今日、店に立っていたのは、旦那さんでも奥さんでもなく、
バングラさんの息子だった。
旦那さんじゃないんだ、珍しいなと思ったとき、
ふと、ぶどうの入ったビニール袋が目についた。
房から外れてしまった半端のぶどうを集めて袋に詰めたもので、
1ドルという値札が立っている。
それ自体はいつも屋台に並んでいるものだから
取り立てて珍しいものではないんだけど、
そのなかに、巨大な袋が混ざっていたのだ。
「これも1ドル?」と、その袋を指差して彼に尋ねると
ちらりと見ただけで、「そう、1ドル」と返事をした。
「えー、本当に? こんなに大きいのに?」ともう一度聞くと、
彼もその大きさにようやく気がついたようで、
パッと手に取り、はかりに乗せた。
そして、周囲のひとがみんな振り返るくらいの大きな声で、
「1キロもある! いつもの2倍以上だ」と笑った。
「でも、それも1ドルなんだよね?」とわたしが冷やかし気味に言うと
「いや、これはいつもの2倍だから2ドルだね」と、バングラ息子。
そうか、それならいいや、どうせこれじゃ多すぎるし、
ちょっと聞いてみただけだから、と屋台を離れようとしたら、
「おいおい」と、わたしに向かって呼びかける。
「これ、こんなに多いんだから2ドルでもいいじゃないか」
「うーん、でもそれじゃちょっと多すぎるんだよね」
「じゃ、仕方ないな、もう1袋買ったら全部で2ドルにするよ」と
彼は、ますます大声で笑いながら言った。
このビッグサイズのほかに、さらにもう1袋買ったら
合計で、いったい何キロになるのかわからなかったけれど、
彼のおおらかな笑い声がとても気持ちよく響いたので、
はい、と財布から1ドル札を2枚取って渡した。

ひとと値段の話をして食べものを買ったのは久しぶりだ。
ひとの豪快な笑い声に、行動を促されたのも久しぶりだ。
どうして、あの無愛想なバングラご主人から
南国の青空みたいにスコンと突き抜けた息子が育ったのか不明だけど、
きっと、(人のことは言えないけれど)仏頂面のバングラご主人にも、
そして、「歩くときは3歩下がり、決して亭主の影踏まず」みたいな
おとなしいバングラ奥さんにも、
同じような一面があるのかもしれない。
あしたは誰が屋台に立っているのかわからないけれど、
わたしは、バングラ親子の青空をもっとよく知りたいから、
いつもの通り1ドル札を用意して、あの屋台へ向かおうと思う。
by asian_hiro | 2008-06-20 10:30 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(6)
黄色いベーグル
こんな偶然の一言に、いつも励まされる。
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この家に住むようになって、約290日。
そのうち、朝、川沿いを散歩したのは、約240日。
そのうち、あの門が開いているのを見たのは、たぶん約80日。
そのうち、門のずっと奥から勤務中の守衛さんが
「ハイ! グッモーニン!」って大きく手を振ってくれたのは、
たった一日。それが、今日。
足を止め、腕をめいっぱい振りながら
「グッモーニン!」と返事をする。
交わしたことばはひとつでも、
290日の間にたまった何かが一気に手元へ飛んできた気持ちがした。

家に帰り、ベーグルを朝ごはんに。
空は桃色。ベーグルはたまごの黄色。
こんな日は、少しだけ遠回りして、
朝の景色をゆっくりと楽しみながら出かけたくなる。
by asian_hiro | 2008-06-18 10:32 | ニューヨーク生活・グルメ | Comments(6)
遠くの涙
たとえ、いつもの笑顔しか思い出せなくても、
わたしはどうして、彼女が悩んでいることを
想像すらしなかったんだろう。
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電車のなかで座っていたら、水滴がぽつりと膝の上に落ちて来た。
みるみるうちに、ジーンズが水を吸う。
ハッと顔を上げると、目の前に立っていた金髪の女性が
「なにか?」という顔でわたしの方へ視線を落とした。
ああ、よかった、
誰かが泣いていたわけではないのだと安心しつつ、
2日前、せつないメールを送ってくれた彼女は
今頃部屋で泣いているのかもしれないな、とその様子を想像したとき、
これは、遠くの涙がわたしの膝にこぼれたのだと思った。
by asian_hiro | 2008-06-17 09:37 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(4)
雨上がり
魔法が日常に変わるとき。
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晴れたり、降ったり、雷が鳴ったり、
不安定な天気だったこの週末。
雨と雨の隙間をぬって買い物へ出かけ、
あじさいに立ち止まる。
昨日、受け取った手紙に書かれた一言も、
偶然、友だちからのメールで知ったばかりの
"good timing brought me to you"という歌詞も、
いま、わたしが欲しいと思っていたものだったから、
言葉は、夢を現実に変えることができるのだと
なんの迷いもためらいもなく、その力を信じたい。
by asian_hiro | 2008-06-16 04:22 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(4)
アイス
夏の定番の、仲間入り。
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最近、アボカドのアイスをよく作る。
熟したアボカドの実をスプーンで崩し、蜂蜜とレモン汁と牛乳を混ぜ、
冷凍庫で冷やしたらできあがり。
早く夏服を買わないとと思いつつ、
七分袖をまくし上げ、どこかなつかしい音楽を聴きながら
スプーンでアイスをつつく夕暮れは心地よく、
カレンダーの今日の日付に、大きな丸をつけたくなる。
by asian_hiro | 2008-06-14 10:33 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(12)
あいさつ
途切れない縁。終わらない線。
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インドでは、こんにちはも、こんばんはも、さようならも
「ナマステ」と言う。
ほんとうは、こんばんはも、さようならも、
ほかの言葉があるんだけど、すべて
「ナマステ」と言う。
出会いのあとには、別れがあり、
そのまたあとには、出会いがあって、
これらのすべてが一本の線になるなら、
人と交わすあいさつは、シンプルに
「ナマステ」だけでいいのだと思う。
by asian_hiro | 2008-06-12 10:02 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(8)
オニオンスープ
今日の結び目は、一杯のオニオンスープ。
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日本からやって来たオニオンスープ。
写真を撮るのももどかしく、乳白色の湯気が消えないうちに
なかに落としたチーズを溶かしつつ、ゆっくりと飲みながら、
海を渡り、13時間の時差を越えたところで
同じようにこのスープを飲むひとがいるのだということを
とてもうれしいと思った。
なにも、近くにいることだけがしあわせなのではなく、
遠くにいるからこそ、心強い。
たぶん、日常にはこんなささやかな結び目があちこちに落ちていて、
それらをひとつずつ集めていけば、
どんな不安や心配ごとや心細さも
きっと、朝露みたいに消えるのだろうと思った。
by asian_hiro | 2008-06-11 20:52 | ニューヨーク生活・日々 | Comments(4)