アジアとアジアの飯をこよなく愛するライターの、「旅」と「パン」と「おいしいもの」があれば幸せな毎日の記録です。
by asian_hiro
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カテゴリ:旅( 60 )
ベトナムから帰国、そして、山。
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夕方の空が、あまりにきれいで
屋上に駆け上がって、ひとりじめした。
東京タワーの方角は、あわい桜色とみず色の組み合わせ、
富士山の方角は、燃えるようなオレンジ色の夕焼け。
特に、富士山から続く山並みがとてもきれいで、
この夏には、どこか山へ行こうと唐突に思った。
こういう唐突な思いつきは、たいていの場合、実行される。
そして、今日という日を思い出しながら
わたしは山に登るだろう。

先週、母とベトナムへ行った。
ベトナムを訪れるのは10年ぶり、2度目のこと。
毎日、雑貨屋を巡り、市場を歩き、フォーや生春巻きを食べ、
チェーと共に足を休め、ベトナムコーヒーでひと息いれた。
何度も通ったタイに比べると、
ベトナムは、空気もひとも柔らかい。
みんな穏やかで、やさしくて、
はにかむような笑顔がとても印象的だった。
わたし自身は、ひとも、町も、食べものも、
クセが強ければ強いほど好きというタイプなので、
わたしのなかで、ベトナムがインドを超えることはないけれど、
またいつか、ゆっくり訪れたいと思っている。

南国から帰ってきたばかりなのに、
いまは、どこかの山に登りたいという気持ちが強い。
昨日、紀尾井町のCOOK COOP BOOKに立ち寄り、
レシピ本を一冊購入したとき、
山小屋の本を立ち読みしたせいもあるのだろう。
地球上のあらゆる音を吸い込むような、静かな、静かな山の夜。
そんな時間を慈しみながら、ただ黙って過ごしたいなあ。
by asian_hiro | 2015-06-09 21:31 | | Comments(3)
リリース
「からっぽ」ではなく、「くう」なのだと。
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4日かけて、桜とともにようやく帰宅。
電話も、メールも、完全にシャットオフ。
そんな生活から、戻りました。

最後の晩に会ったスウェーデン人のヤンさんは、
この世界のことを、“empty sky”と言いました。
たぶん、仏教で言う「色即是空」と同じこと。
そのことが、いまはとてもこころに残っていて、
見上げれば、天の川、
そんな夜がつい先日のものだったのに、
いまではすっかり、夢のなかの出来事のような感じです。

いろいろなことがありました。
手に持ったたくさんの風船を、
ひとつずつ、空に放つような毎日でした。
たまたま書店で見かけた本のなかに、ダライラマの言葉があり、
一生懸命暗記して、店を出てから急いでノートに書き留めました。
“Give the ones you love wings to fly,
roots to come back and reasons to stay.”
なんて美しい言葉だろうと思います。

夜にはぐっすりと眠りました。
川から吹きつける強風が、窓を勢い良く開け放ったときには
さすがにビックリして飛び起きましたが
朝5時過ぎにはぼんやりと、
祈りのうたや、お寺の鐘をまどろみながら聞きました。
懐かしい友だちが夢に出てきて、
やさしい気持ちで目覚めたこともありました。
そこでの夜は、ただひたすらあたたかいものでした。

最後、大モスクの前の階段に座って通りをずっと眺めました。
それまで35度を超える気温だったのに、その日は10度も低くて、
夕方には、とても気持ちいい風が吹いていました。
数段下では、黒いチャドルをかぶったおばあさんが
コーランの一節を唱えながら、白い布を広げて物乞いをしていました。
17時、アザーンが鳴り響いたときだけは唱えるのを止めていましたが、
その後は再び、短い一節を繰り返します。
これまで、物乞いのひと達に
お金を渡すことはほとんどなかったわたしが、
そのときは、どうしてそうしようと思ったのかわかりません。
10ルピー札を財布から出しておばあさんの前でかがみ、
白い布のなかに入れました。
しばらくの間、風で飛ばないように押さえていると、
おばあさんは白い布でお札をそっとくるみ、
わたしに向かって両手をゆっくり合わせました。
わたしは静かに階段を下りました。

生きることは苦である、とブッダは言います。
"no judge, no think. Just accept”と
ヤンさんは言いました。
「自分を愛しなさい。マンゴの実を持っていないひとが、
他人にマンゴの実を与えることはできないのだから」
仲良くなった、石屋のおじさんは言いました。
どうして、わたしにたとえ話をするひとは
いつもマンゴを題材にするんだろうなと思いながら、
その話を聞きました。
最後の日、ガラス窓からおじさんに手を振ると
おじさんは強面の顔を崩しながら、にっこり微笑んでくれました。

どうしても参加したかったコースに出て
途中、思わぬ体調不良に悩まされたこともあったけれど、
これもまた悪いものが出ている証、
やっぱり、すべてがプロセスなんだなと思いながら
毎日、川沿いの道を歩いてヨガへ通いました。
ぶどうとみかん、カシューナッツ、
それから、毎日2杯までと決めたチャイが
わたしの、散歩の友だちでした。

今回ヨガで学んだことは、
いまはまだ、どうがんばっても言葉にできそうもなく、
これから少しずつ、体へしみこんでいくのだと思います。
その町に着いたばかりのころは、一生懸命、神経を尖らせても
体のあちこちにまで気持ちが行き届かず、
なんて、わたしの体内は真っ暗なんだろうと感じた体も
少しずつ明るさを取り戻し、
その町を去る頃には、思い通りに動かすとまではいかないまでも、
どうにか、親しみを感じるくらいまでにはなりました。
足のつま先や頭のてっぺんに至るまで、
すべての場所に「こころ」を届けること。
ただ、そのことだけに集中した毎日でした。
そしてそれは、これからも続きます。
こうして、すべてが続くのです。
だからこそ、emptyでいられるのだと思います。


今日、東京へ帰りました。
春の宵はこんなに明るかったんだなあと、改めて感動。
さて、まずはどこへ桜を見に出かけよう!
by asian_hiro | 2015-03-31 17:52 | | Comments(6)
青梅
もの思う、往復120km。
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ちょっとそこらへんを、と思って家を出たのに、
走っていたら、「青梅まで40km」という看板が見えた。
青梅には、とても好きな喫茶店がある。
このまま走り、その店の窓際の席でコーヒーを飲もうかと思ったら
急に気持ちが上向いた。
結局、店の近くに駐車場が見つからなかったので、
国道沿いの
大きなマクドナルドでコーヒーを飲んで帰ってきたのだけど、
旅先など、知らない町のマクドナルドに入るのは意外と好きだ。
その町の、いつもの顔に出会えるみたいで。

途中、以前原付バイクを購入した店の前を通った。
なつかしくて、そのときのことをいろいろ思い出していたら
たまたま信号待ちで、その店の前に停車した。
店のおじさんはいなかったけれど、あのときと同じように
古ぼけたカレンダーがレジの奥に飾ってあった。

「ヒロコさんは、バイクが似合うと思う」
昔、たったひとりだけそう言ったひとがいた。
「車は似合わないし、運転も向いていないと思うけれど
バイクはとても似合うと思う」
走っているうち、唐突にそんなことばを思い出した。
どうしてその話題になったのか覚えていないし、
そのひとがいま、なにをしているのかもわからないけれど、
「ヒロコさんはインドの町を歩くとき、
とても怖い顔をしているんだよ。
だけど、インド人に話しかけられると、途端に顔がほころぶんだ。
そのギャップがすごいと思う」と言われたことは
いまでも心に残っている。

青梅に向かって走りながら、久しぶりにインドのことを考えた。
遠く離れたふるさとや、
もう何十年も会っていない旧友を思い出すような気持ちで
あの国のことを考え続けた。
いつか、あの国の赤茶けた大地を
旧式のロイヤルエンフィールドで走れたらいいと思う。
遠くにチャイ屋が見えたらひと休みして、
また次のチャイ屋を見つけたらひと休みして、って
そんな旅ができたらいいなと思う。

パンのにおいがすると思ったら、すぐ先にヤマザキのパン工場があり、
甘いにおいがすると思ったら、となりには大きな梨畑が広がっていて、
ああ、秋のにおいだと思ったら、道端では金木犀が満開だった。
青梅の直前でゆるいカーブを曲がると、
奥多摩の山並みがきれいに見えて、
その瞬間、無意識に声がもれた。
こんなに素敵な景色、たった数秒走りながら眺めるだけなんて、
あまりにもったいなくて、贅沢だ。

青梅の町を軽く一周して
そのまままた、国道を戻ることにした。
途中、わたしを颯爽と抜かしていったカワサキのW800が
先にある「すき家」へ入っていくのが見えて、
わたしはその人と、とても親しくなれそうだと思った。

環八から甲州街道へ出ると、そこは反対方向の車線で
「甲府まで100km」という看板が見えた。
どうしようかな、どこかでUターンしないと、と思っていたら
真正面の上空に、冴え冴えとした三日月が見えた。
道を間違えるのなんて、どうってことない。
だって、正しい方向に出ていたら
三日月に背を向けて走ることになっていたのだもの。
「世のなかで起こることは、すべて良いことである」って
ほんとうにそうだなと、つくづく思う。

「世のなかで起こることは、すべて良いことである」
ものごとは、すべて自分の意思で選ぶから
たとえどんな結果でも、みんな良いことなのだと思っていた。
だけどこんなふうに、突然、ギフトみたいなイベントに出くわすと
案外、自分で選ぼうが選ぶまいが、
世のなかで起こることは、
すべて良いことなのかもしれないと思えてくる。

川沿いの団地や小さな商店街を抜け、
再び環八に戻って甲州街道、そして、環七。
ようやく、家路が見えてきた。
家では昨晩、
ひさしぶりにワインをたくさん飲んで帰ってきたときの荷物が
まだソファの上に転がっていたけれど、
すぐにノートパソコンを持ち出して、
最寄り駅近くのマクドナルドへ行くことにした。
やらなければならない原稿が1本、あるのだ。
今日、2軒目のマクドナルド。
ひとりで走るのは楽しいのに、
そのあと、ひとりで家にいるととてつもなくさみしくなるのは、
いったい、どうしてなんだろうな。
by asian_hiro | 2014-09-28 23:05 | | Comments(0)
夜道
ことばだけは何度もこころに浮かぶのに。
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ヨガを終えて、宿へ帰る。
目の前のバイクのあかりが、少しずつ遠くなっていき、
残るのは、わたしと月、ただふたつ。
知らなかった、タイの三日月って横から欠けるんじゃない、
上下から欠けていくんだよ。
なんだか、いいことを発見しちゃったなあと思いながら
遠回りして、ゆっくり帰った。

「そのやさしさを、目の前の相手にもわけてあげなさい」
そう、教えてくれたのは誰だったかな。
何度も何度も、自分へ言い聞かせるように
そのことばを思い返しているのに、
誰に教えてもらったのか、まったく思い出せないんだよなあ。
by asian_hiro | 2014-01-12 20:40 | | Comments(2)
ヨガ
Your face is changing everyday.
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朝は、いつも市場からはじまった。
ひとが、ものを食べる様子を見ながら
わたしのなにかが、少しずつ満たされるのを感じていた。
まだだいじょうぶ、
まだいける、と。
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それから、寺へ行って
お坊さんたちと一緒に、坐禅を組んだ。
歌うようなお経は、
インドで耳にするチベット仏教やヒンズー教のマントラと違うけれど、
すべての宗教の目指すところはすべての人の目指すものと同じなら、
この読経もわたしの願いと同じはずだ。
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いや実際、わたしの願いとはなんだろう。
話したいことなら、たくさんあるが、
そもそも、願うことはなにもない。
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毎日、アシュタンガばかり何時間も練習した。
日によって、8時間くらい練習に費やすこともあり、
まわりのひとから“super yogini!!"と声をかけられた。
ほんとうに、疲れを感じることはなかったのだ。
体を動かしているうちは、心を揺らさずにいられた。
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ヨガとヨガの合間には、いつも茶屋でミロを飲んだ。
ときどき、温泉卵を2つコップに割ってもらい、
シーズニングソースをかけて食べた。
そしてまた、次のヨガクラスへ出る準備をした。
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すべてのクラスを終えると、もう21時頃になっていて、
たいてい、そのあとにはミロや豆乳を飲むくらいだったんだけど、
ときには、屋台で大好きなパッタイを食べた。
お堀のそばの屋台街は、夜遅くまでにぎやかだ。
隣のテーブルから聴こえる、タイ語の会話に耳をすませ、
むかし、ヨガをはじめる前、
純粋に旅を楽しんでいたころのわたしを思い出した。
あのときの旅仲間は、みな、どこに行ったのだろう。
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強くなりたいと思って、ここへ来たわけじゃない。
だけど、“あなたほど、強いひとを見たことがない”
あるひとは、そう言った。
また、あるひとは、
“毎日、顔が変わっていく”と言ってくれた。
その言葉を聞いただけでも、ここへ来た価値があったと思った。
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小学校では、子ども達がエイヤーと空手の稽古。
“ヨガは、人生を escape するためのものじゃない。
人生を prepare するための道具なのだ”
耳にしたことばが胸に刺さる。
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夕方には、ときどきお堀のそばのベンチで昼寝をした。
通りの向こうからプップーと音がするので顔を上げて見てみると、
肉まんを売る屋台のおじさんが、こっちを見て笑っている。
そうか、ここはタイだった、インドじゃないんだ、
道端でこんなふうに昼寝をしているひとはいないんだって
ちょっと恥ずかしく、苦笑い。
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ヨガをして、町を歩いて、部屋に帰ってぐっすり眠る。
大晦日には、108回の太陽礼拝をした。
ジャンプバック、チャトランガ、ハンドスタンド。
ひとつひとつこなしながら、呼吸をする。
木の匂いがただようスタジオには、
ホーホーというふくろうの鳴き声と、
新年を待ち切れず、打ち上げられる花火の音が響いていた。
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夜行バスでバンコクへ帰るという日。
最後のクラスで、ようやく自由が手元に戻ってきたのを実感した。
胸が開き、背中が伸び、
体のあらゆる関節が、気持ちよく呼吸をしている。
この滞在のことを、すべてきれいに消化するには
まだ、ずいぶん時間がかかりそうだけど、
とりあえずは目の前の、
明日といういちばん近い未来のことだけ考えながら
今晩も眠りにつく。

http://www.wildroseyoga.org
by asian_hiro | 2014-01-10 21:12 | | Comments(10)
北国
どうしても、雪が降る様子を見たかった。
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福島を過ぎ、仙台を越える。
盛岡までは、たしかに快晴だったのだ。
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新青森に着いてホームにおりたとき、「空気が白い」と思った。
積もった雪が、ひかりを跳ね返している。
そして、そこから弘前へ。
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ホテルに荷物を置いて、弘前公園へ向かった。
タクシーの運転手は「今年は雪が少ないねえ」と言った。
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さくらの木を見上げ、満開の様子を想像する。
花を見るのもいいけれど、思いを巡らすのもいいものだ。
この時期、この街に来られてよかったと思う。
気付けばここはわたしにとって、本州の最北端だ。
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向こうにそびえるのは岩木山。
この街では、どこにいてもあの山が見える。
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いつからだろう、ずっとここに来たかった。
太宰も通った喫茶店、「万茶ン」。
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川沿いを遠回りして、ホテルへ帰る。
巨大なイヌの背後には、まんまるの月がいた。
宿では、満月を見上げながら露天風呂に入った。
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そして、雪国の朝。
すぐそこに五重塔があることに、初めて気付く。
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やっぱりわたしは、東北が好きみたいだ。
寒いのは苦手だし、凍った道路では何度も転びそうになるけれど、
それでも、しんとこころが引き締まる北国の寒さが大好きだ。
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列車に乗り、町のひとたちの会話に耳を澄ます。
あったかくてやさしいことばが、なぜかとても懐かしい。
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だけど本当は、雪がしんしんと降る様子を見たかった。
町が、みるみるうちに雪で覆い尽くされ、
世界中のあらゆる音が、雪のなかへ吸い込まれていく、
そんな静寂の世界を、どうしても見たかったな。
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でも、今年はこれでおしまい、
来年、また雪国へ行こう。
by asian_hiro | 2013-12-18 20:45 | | Comments(12)
祈るということ。
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やっぱりひとは、
なにかを手に入れるためではなく、
手放すために、祈るのだと思う。

香港にて。
by asian_hiro | 2013-03-16 22:53 | | Comments(11)
旅の記憶
目を瞑り、においだけを手がかりに。
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先日の香港で、友だちに勧められて白荷油を買って来た。
メンソールのすうっとする香りは花粉症のこの時期、快適だ。
部屋を掃除するとき、雑巾に一滴垂らすといいと聞いたので、
早速今度、やってみようと思っている。

部屋でときどきアロマオイルをたくのだけど、
香りはいつもラベンダー。
昔からラベンダーが大好きで、
ローズ、ラベンダー、カモミールの三択なら間違いなくラベンダー、
そこにレモングラスが加わったら、ちょっと迷うけれどラベンダー、
もしジャスミンが加わったら、かなり迷って、
それでもやっぱり、ラベンダーを選ぶだろう。

ラベンダーの香りが好きになったのは、
たぶん、初めてもらったお香がラベンダーだったからだ。
北海道のおみやげでもらったそのお香は、
淡い紫色のとても洒落た箱に入っていた。
毎晩一本ずつマッチで火をつけ、その香りのなかで
本を読んだり、日記を書いたり、ぼんやり考え事をしたりした。
北海道にはこんなに素敵な香りがあふれているんだって
一面のラベンダー畑を想像しながら目を閉じた。

香りを探して、旅に出る。
そんな旅もいいものだと気づいたのは、だいぶ大人になってからだ。
東南アジアの路地裏では、
民家の窓からもれてくるナンプラーやパクチーの香りに立ち止まり、
インドやパキスタンでは夜行バスが深夜に立ち寄る食堂で
強烈なスパイスのシャワーを浴びせられ、
エジプトや中東の市場ではエキゾチックな乳香の香りが漂うなか、
ふたつの目だけが覗く、黒いアバヤを着た女性たちの
ひそやかなおしゃべりに耳をすました。
わたしの記憶には、「香り」という索引があり、
いつでもそれを手がかりに、過去の旅を思い出せる。
ほら、これは南インドで嗅いだカレーリーフの刺激的なにおい、
こっちはイランで飲んだ、ダマスクローズの華やかな香り、と。

先日の香港では、あちこちから漢方や乾物のにおいがした。
地図に頼らず、においを手がかりに町を歩き、
干した牡蠣や不思議なドライフルーツをいくつか買った。
気になる店があったら軒先を覗き、
おもしろいものがあったら、店主に見ぶり手ぶりで話しかける。
わたしはそんな旅が大好きだ。


香港から戻ってきたばかりで、あしたは北の方角へ一直線。
北海道へ飛ぶのは15年ぶりだ。
ひと針分、冬の方角へ時計を逆回転させるけれど、
東京へ戻って来たらふた針分、春の色が濃くなっているんだろうな。
by asian_hiro | 2013-03-04 22:22 | | Comments(10)
香港の裏通り
旅の風見鶏は、いつでも市場の方角を向く。
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町のひと達の、当たり前の日常に
一歩、足をつっこんで
「おじゃまします」と、同じ場所の空気を吸う。
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八角、胡椒、鶏がらスープ、
いろいろなにおいが入り交じるなか、
ひとの会話が踊っている。
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地元のひと達で大賑わいの食堂で食べたワンタン麺は
海老ワンタンとつみれのせ。
みんなで同じ丼に向き合う瞬間、まさに胃袋の連帯感。
by asian_hiro | 2013-02-24 18:59 | | Comments(2)
香港旅行
こんな旅も、あったんだ。
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成田空港第2ターミナルの、書店と一緒になったタリーズコーヒー、
インドへ行くときは、いつもここで日記を書く。
日本に残していく物事をあたまのなかで整理したり、
インドで挑戦したいことを思いつくまま書き出したり、
ふと、視線をあげれば飛行機が飛び立つ様子が間近に見える、
そんなふうに過ごす時間がとても好き。

いつも、ここではひとりで過ごしていたけれど
誰かと一緒にガイドブックを開きながら、
「どこへ行こう?」
「なにを食べよう?」って考えるのもいいものだって、
今回、あらためて気がついた。

香港3泊4日、(ほぼ)現地集合、現地解散の旅。
気になっていたヨガスタジオで2回クラスに参加して、
みんなで食事の前に集まり、一緒に食べて、
「これ、何に使うの」って
不思議な道具を売っている台所用品街へ買い物に出掛けて、
スーパーで調味料や食材やお菓子をいっぱい買って、
ひとり、2階建てバスの最前列にも乗って、
ネオンが光る漢字だらけの看板の渦に飲み込まれて、
最後はみんなで夜景の見えるバーで乾杯をして、
そんなふうに、旅もおしまい。
さて、もうすぐ3月だ。
by asian_hiro | 2013-02-23 19:22 | | Comments(8)