年少のときはあじさい組、年長のときはばら組だった。
幼稚園のときの思い出といえば、夏休みのお泊まり保育。
先生たちが作ったカレーを食べ、
縁側でスイカにかぶりつき、
夜はみんなで一列になり、教室で眠った。
お腹にかけられたタオルケットのにおいまで思い出せるくらい、
今でもはっきりと、その夜を覚えてる。
おとなになり、たくさんの辛いことや悲しいことがあったとしても、
たえず、こころの底に温かいものがあるのだとしたら、
それは、過去にともされた灯なのだと思う。
現在でも、未来でもなく、
幼い頃のささやかな幸せが、目の前の道を照らしているのだと思う。