青を見ると、思い出す。
去年の暮れに無くしたタンザナイトのピアスは、
5年間、ずっと身につけていたものだった。
それをつけてインドにも行った。一日も離さなかった。
同じようなデザインをこの街で探したけれど見つからず、
いまは、代わりに買ったピアスを時々つけるくらいで、
すっかり、ピアスをしない生活になってしまった。
ほかのどれでもなく、それじゃなければだめというものは、
きっと、少ない方がいいのだろうし、
少ないからこそ、もっと大切にしたいと思うのだろうけれど、
それが手のなかから消えたときには
なにか、代わりのものでその穴を埋めるのではなく、
それがそこにないという今の景色を
早く、見慣れた方がいいのかもしれないと思った。