また、いっしょに歌いたい。
いま、何気なくつけていたテレビから
とても懐かしい音楽が流れている。
そのメロディに触れた瞬間、
どうしても、なにかを書かずにいられなくなった。
ああ、こまる!
だって、今日はアップする写真がなにもない。
仕方ないから、ちょっと前にマーケットで買ったキッシュで、
この場をごまかしてしまおう。
その音楽は、インドのリシケシュにいたとき、
インド人、韓国人、日本人の友だちと
夜、安宿の屋上で輪になって歌った曲だ。
さっき、知り合ったばかりの韓国人の女の子に
その場で旋律を教えてもらい、
わたしが胡弓で伴奏をし、みんなで声を合わせて歌ったのだ。
普段はそれぞれ違うことばをしゃべるのに、
いまは、ひとつの歌をうたっている。
真っ暗な夜空には乳白色の天の川。
ガンジス川の流れる音が背後の山にこだまする。
わたしは、この夜を過ごすためにインドへ来たのだと思った。
ニューヨークフィルが北朝鮮で開いたコンサートの演奏を聴きながら。
ひさしぶりに「アリラン」を耳にして、
こころがたしかに、いろいろなひととシンクロした。