車中2泊、ホテル2泊。
ちいさな、ちいさな旅に出ました。
一日目。
八重桜満開の鞍馬山に登った。
九十九折の山道を歩いていたら、途中、雷交じりの土砂降りに見舞われた。
大木の下でひとやすみ。
荒々しい雨のなかに、むっとするような緑の香りが混じっている。
まっすぐ伸びる杉の木の、重なり合う枝と枝との隙間から、チラリとでも天狗の影が見えないかと、目を細めつつ天を仰いだ。
二日目。
半袖でも暑いくらいの好天気、数年ぶりに奈良へ行った。
いくつかの寺を巡り、鹿とたわむれ、ひばりの鳴き声を聴きながら平城京の跡地を散歩。
だだっぴろい野原のなかにオレンジの朱雀門がそびえ立ち、すぐそばをたった数両の列車が走り抜ける。
向こうには、傾きかけた真っ赤な太陽。
きっと、昔と変わらないのだ。門も、夕日も、ひばりの声も。
三日目。
大好きな、大好きなパン屋さんへ突撃訪問!
このお店で、いや、コウバで、こんなにたくさんのパンが並んでいる様子を見るのは初めてのこと。
今日だけのパン、おなじみのパン、ふたたびのパン、どれもこれもいい顔だ。
たくさんのパンを抱えて、そこからまた、ちょっと遠出。
先月、オープンしたばかりという友だちのカフェへ向かう。
サプライズの訪問に、「えー、どうしてー?」とビックリ顔の彼女を見て、わたしはひとり自己満足。
このお店のことは、のちほどゆっくり書こうと思う。
ちいさな、ちいさな旅もこれでおしまい。
次はどこへ行こうと考えつつ、雨音に包まれて荷物を片付ける日曜日の午後でした。