真っ赤な壁には緻密で繊細なパンの絵。
刺激的な色に囲まれた空間なのに、居心地がいいのはなぜだろう。
10日前にオープンした茨城の
ニコラ食堂。
今日、パン友達と初めて訪ねた。
とあるお祝いごとのために、まずはスパークリングワインで乾杯!
今日、お願いしたのは「前菜の盛り合わせ、本日のパスタ、飲み物」で1,200円のランチコース。
6人分のパンがオリーブオイル、有塩バター、無塩バターとともに運ばれてくる。
これだけの量を前菜とともに食べ尽くし、さらにお代わりをいただいてしまう強胃ぶりを発揮する私たち。
そしてパスタがやってきた。
シンプルなトマトソースながら、細めのパスタに絡む甘味と酸味のバランスが絶妙。
そして、今日のサプライズが登場した!
今日は、お祝いごとのあるお友達のためにあらかじめ職人にケーキをお願いしておいたのだ。
だけど、パン屋とレストランで寝る暇もないくらいお忙しい様子は聞いていたので、「コレくらいの予算でお願いします。あ、でもデニッシュにろうそく立てるだけでもいいんですから!」と連絡した。
まさか予算いっぱいのろうそくがこれでもかとデニッシュに立っていたら、と心配したけれど、実際用意されていたのはこんなに素敵なケーキだった!
パン職人だよね? ケーキ職人じゃないよね?
なのに、どうしてこんなに素晴らしい仕事ができるんだろう。
いつか、私のウエディングケーキもお願いいたします(笑)
カットしたケーキも、こんなに美しく盛り付けられて再登場。
さらに、「デニッシュは(食べられる)?」と聞かれて「じゃ、少しだけ」と答えると、またもや意表をついた形で現れたのが「デニッシュ・ピンチョススタイル」。
店に入り、席に着いてすぐに目に飛び込む赤い壁。
一瞬にして視線を奪うその色は、きっとこの店を作り上げた職人さんの心の色なんだと思った。
挑戦。追求。楽しさ。もてなし。チャレンジ。ゆとり。
普通ならちょっと刺激が強いような色だけど、居心地よく感じるのはそこに人の心が見えるからだ。
いつものとおり、職人さんに送られて家に帰る。
振り返って手を振る瞬間、懐かしい馴染みの家を去るような、少し寂しい、けれどどこかあったかい気持ちがした。