インドの最南端、カニャークマリの浜辺では、毎朝たくさんの魚が取引される。
夜中から船で出かけ、日の出とともに帰ってきて、捕ってきたばかりの魚を浜辺に広げて売ったり買ったり。
日本で見慣れた魚を大きくしたり、尖らせたり、目をガラス細工みたいにギョロリとさせたり、どこかグロテスクな魚たちがあたり一面に並んでいる。
ああ、これは炭火の上でジュージュー焼きたいとか、こっちはムニエルにしたらおいしいだろうなと勝手に想像しながらそばで魚をぶつ切りにしていたおじさんに聞いてみると、「スパイスで煮る」とのこと。
確かにフィッシュカレーはおいしいよ。
でも、炭火で焼くのだって負けないくらいおいしいのに!
変わらない毎日の食事。
それはそれでとても素晴らしいことだと思うし、無理矢理変える必要もないけれど、一度くらい日本のしょうゆ味を彼らにも食べさせてあげたいと思うのは旅人のわがままなのかな。