こころに穴を。戸を開け放て。
みずが、うつわからあふれようとしているならば、
みずの量を減らすか、
うつわの直径を広げるか、
うつわの高さを少し伸ばすか、
道は3つ、手のなかにある。
寺山修司の「ポケットに名言を」。
誰かのことばのなかに
そのヒントを見つけようと思ったのかなあ。
だから、ついこの本を手に取ったのだろうか。
ガードレール沿いに、かっこいいGIANTの自転車がとめられていた。
深みのある、ミッドナイトブルー。
ああ、自転車を買おうかなあ、
なんにも考えず、ぐるっと町を走りたいなあって
突然、思った。
「幸福とは、幸福をさがすことである」
さがしに行こうか、
自転車にひょいっと乗って、
ちょっと、そこまで。
そうだ、こたえはもうひとつある。
うつわに、穴をあけてしまえばいいのだ。