アジアとアジアの飯をこよなく愛するライターの、「旅」と「パン」と「おいしいもの」があれば幸せな毎日の記録です。
by asian_hiro
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I'm set free
わたしが、ここにいる理由。
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道端のチャイ屋とほとんど変わらない値段で
マサラのきいたチャイを飲ませてくれるだけでなく、
そのカフェには、いつも素敵な音楽が流れていた。
初めてそこを訪れたとき、
耳にすっと溶け込んできた音楽がとても心地良く、
いつまでもその波に揺られていたい感じがした。
厨房に入り、店主に曲名を尋ねると、
Susheela RamanのMamavatuだという。
インドから帰ってからのわたしはその曲を含め、
彼女の歌ばかり聴いている。

滞在中、何度か停電にあった。
19時ごろ、ヨガを終えて30分歩いて宿まで戻り、
さて、シャワーでも浴びて寝ようかというときに停電になると
もう、ろうそくの灯りだけではなにもできない。
そんなときはあのカフェへ行き、
電気が戻るのを待ちながら、暗闇のなかでチャイを飲んだ。
もちろんそこにも灯りはないが、いつでも音楽だけは流れていた。
山が迫る真っ暗な坂道、そこに面したオープンエアのカフェ。
汗のひいた肌に夜風が冷たく、ショールをぐるぐる巻きにして
スパイスが香り立つチャイのグラスで暖をとる。
眼をどれだけこらしても、外の通りは真っ暗で、
頼りないろうそくの炎が、店内を淡く照らす。
まるで、自分が海底に沈んだ生き物のように感じられ、
そのまま夜が明けなければいいのにと思う。

なんで、日本に帰らないといけないんだっけ。
このまま、どうしてインドに残ってはいけないんだっけ。
何度か、そんなことを考えた。
そのたびに、「仕事があるし」「待っているひとがいるし」
「会いたいひともいるし」と、あれこれ理由を考えたけれど、
わたしが本当に自分の「顔」に戻れるのは
インドしかないという感じもしていて、
それなら、なぜ日本に帰らなければならないんだっけ、と
また、堂々巡りが始まるのだ。
彼女も歌っている、“I'm set free”と。
わたしは自由だ、何物にも縛られない、解放されたのだ、と。

もう充分だ、
ヨガのことでいえばこれ以上ないというくらい頑張って
充実した旅になった、心からそう思っている。
ただ、やっぱり大事ななにかを忘れてきたみたいで
ここ数日、日本に帰ってきてからというもの、
調子が出ないし、どこかおかしい。
わたしは自由だ、何物にも縛られていない、
それはよくわかっているが、
わたしは、わたしが日本にいる存在理由が欲しいのだ。
わたしが、ここにいなければいけない理由、
「ほらね、やっぱりわたしの居場所は日本なのよ」と言える理由。

インドと日本のあいだでこころが揺れる、旅のあと。
行きつ、戻りつ、
もう少し、こんな時間が続きそうだ。
by asian_hiro | 2012-10-23 21:30 | インド旅行記 | Comments(0)
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