眠れるうちは、だいじょうぶ。
「精神的に安定していそうな感じがして」
「つよいひとですよね、ぶっちゃけ」
「なにがあってもだいじょうぶそうだし。
まあ、なんとかなってるんでしょ、実際」
「さぼうる」で、生いちごジュースを飲む時間はなかったけれど、
お通夜まで、ちょっと余裕があったのですずらん通りへ寄り道した。
藤原新也の新作写真小説が載った、
12年前のアサヒグラフが100円で売られているのを見つけ、
あとさき考えずにレジへ向かう。
半袖の黒いワンピース姿、これからお通夜へ行くというのに
片手には、ビニール袋に入った藤原新也。
いかにもというか、運命というか、
まあ、出会ってしまったのだから
「買わない」という選択肢など、どこにもない。
久しぶりの町、久しぶりの友だち。
久しぶりの電車、久しぶりの景色。
場所を変えたら自分も変わるかなと思って、と
久しぶりに会った彼女が言った。
そうだよね。
いま、わたしもなんとなくそう思ってる。
ああ、なんだかもういろんなことがどうでもいいなあ。
どうでもいいんじゃなくて、投げ出したいんじゃなくて、
てきとうなことばが見つからないけれど、
ホント、毎日ヨガをして、本を読んで、
少しだけ、自分のために文章を書いて、
朝日を眺めて、月を迎えて、スムージーを作って、深呼吸をして、
そんな生活ができたら、それでいいやって思う。
なんてことも言っていられないけれどね、
とりあえず、今週はいろんなことをおやすみです。