アジアとアジアの飯をこよなく愛するライターの、「旅」と「パン」と「おいしいもの」があれば幸せな毎日の記録です。
by asian_hiro
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旅を終えて
Go with the flow.
旅を終えて_c0001023_1392196.jpg

インドから送った荷物、15キロ。
日本へ持ち帰った荷物、30キロ。
いったい、なにをそんなに持ち帰ったのか、
荷物の重さは、インドへの執着心…と比例するのかわからないけれど、
わたしは今回、きちんと旅を終えることができなかった。

最後、デリーで体調を崩し、ひどい鼻づまりと喉の痛みに悩まされた。
なんとか重い荷物を背負って空港へ辿り着くと、
予定していたスリランカ航空がオーバーブッキングのため、
JALの成田直行便へ振替になった。
経由便が直行便になったのだから、本来なら喜ぶところ、
振替が確定したのが、離陸の直前だったため、
最後、ゆっくりすることができなかった。
あわただしく搭乗ゲートを抜け、急いで飛行機に乗り、
和食かインド料理か選べる機内食で、当然のようにインド料理を選び、
気付いたら、
「おかえりなさい」とボードが掲げられた成田空港にいた。

飛行機のなかで隣に座った日本人男性は、
とてもよく知っている人に似ていた。
声も、姿格好も、なにもかもそっくりで、
フライトアテンダントさんは、わたしと彼をカップルと思ったのか、
わたしたち二人へ笑顔で話しかけていたけれど、
ジャケットを羽織り、分厚いビジネス書を持ったその人と、
インドで買ったバッタもののNORTH FACEのジャンパーを着て
薄汚れたジーパンを履き、
鼻にピアスをさしたわたしでは、どう見ても釣り合わない。
飛行機が着くと、その人は動く歩道にも乗らず、颯爽と歩いていった。
そのまま会社へ出勤だったのだろうか。

30キロの荷物を背負って電車を乗り継ぎ、実家へ向かった。
途中、山手線の乗換駅で温かいホットココアを買い、
やっぱりインドのオーバルティンとは違うなと思いながら
ゆっくり飲んだ。
最寄駅を出ると、目の前には黄色い葉をつけた銀杏の木。
日本人になじみが深い、趣き深いその色を見ながら階段を登り、
ああ、インドは終わったのだな、と思った。

9月1日に出発して、111日。
帰りの航空券を持たない旅は、本当に久しぶりだった。
自分で旅の終わりを決めることができるのか、
出発前は不安だったけれど、
航空券を買うタイミングは意外にすんなりやって来て、
いったん「帰国の日」が決まると、
すべてがそこへ向かって流れて行った。
9月、毎日がハッピーとラッキーの連続だったダラムサラ。
10月、朝から晩までヨガ三昧の指導者資格コースに参加したリシケシ。
11月、山あり谷ありだったけれど、終わってみれば、
心身を根っこから掃除できた気がするパンチャカルマ。
そして12月。
パンチャカルマで生まれた心地いい空間をどう維持していくか、
ずっと考えていたのだけれど、
なにも維持する必要などないのだということに、
インドを出る直前、気がついた。
今日には、今日で消えるものがあり、
明日には、明日、生まれるものがある。
すべてのものを、追わない、求めない、固執しない、留めない。
水もよどめば濁るように、
あらゆる流れをストップしてはならないのだろう。
手の中へやって来るものは、良いも悪いも区別なく、
ただ、鷹揚に受け入れて、
失うものは、失うままに任せておく。
そういえば、パンチャカルマで学んだいちばんのことは、
胃や腸に物が入っていると「出し」にくいということだった。
だけど、そもそもそこがカラッポなら、
胃や腸へ入れた水は
あっけないほど、あっさりそこを素通りしていくのだ。

これからも、まるでわたし自身がチューブになったかのように
さまざまなものが、わたしを通過していくだろうが、
再びインドへ帰る日まで、流れとともに進むまで。
ひとまず、飛行機のなかで中途半端に書いたままになっている日記を
きちんと、書き終えるところから始めようと思う。

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インドより帰国しました。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
by asian_hiro | 2011-12-21 13:55 | インド旅行記
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