リシケシで、突然の夕立。
最近、この国に来るとヨガばかりしているから
もう、ヨガのないインドを思い浮かべることが
難しくなっちゃったよ。
友だちのバイクに乗せてもらい、
砂漠の真ん中にそびえる風力発電の風車を見に行ったこととか、
50度の炎天下、ココナツの実を求めて歩き回ったこととか、
海辺の小さな漁村で、漁師のインド人と親しくなって
いつもその家でフィッシュカレーを食べさせてもらったこととか、
誤って列車を乗り過ごし、
カルカッタ駅のベンチで一夜過ごしたこととか、
日が沈んだ後、大地が360度七色に染まる様子を
友だちと一緒にただ黙って眺めたこととか、
あれは一体、何度目の旅だったんだろう。
会いたくても会えない距離になる前にもう一度会いたいと思い、
一旦他の町へ出かけた後も、繰り返しその町へ帰っては
「ウエルカムバック!」と迎えてくれた友人たち、
みんなみんな、元気かな。
「あなたは何を求めてインドに来ているのですか。
それがわかったら、
同じところを何度も周り続けることはないはずです」
8年前のダラムサラで同じ宿に泊まり、わたしにそう語ったお坊さん、
わたしは今、とてもあなたと話がしたい。
牛と一緒に雨宿り。
過去の旅が目の前を流れていき、次の旅が頭のなかで膨らんでいく。