その道は、どこに至る。
インド随一の大都市ムンバイで
いつも自分が乗った路線バスの番号は、
「124」と「66」と「3」だった。
それらのバスが辿るルートは、
微妙に重なり合いながら、ムンバイ市内を縦断する。
どれに乗っても行き着く先が同じというわけではないし、
窓から映る景色も皆、異なるけれど、
3つが重なるいつものルートに入り込み、
途中下車してうろうろと路地裏をさまようたびに、
どれほどムンバイが「市」という領域を拡大しつつあろうとも、
この町は、ひとつの空と地面でつながっているのだと
はじめてわかった。