パキスタンで体調を崩し、
数日間、ほとんど食事がとれなかったとき、
「栄養をつけなきゃ」と、肉のはいったカレーを注文したが、
身体中の器官が、こぞって料理を拒絶した。
結局、歯をくいしばるようにして無理矢理平らげたけれど、
栄養のある食べものは、
栄養をつけたいときに食べるのではなく、
むしろ、栄養が全身に行き渡っていないと、
食べる気力すら起こらないのだと思った。
だとしたら、この空間で食事をしたいと思ったのはなぜだろう。
無意識に、身体は欲しいものを知っている。
本当に必要なら、それは自然と手に入る。
わたしたちは、それを素直に享受するのみ。